肩の痛み…それ、もしかして「五十肩」かもしれません
肩の関節は、腕を自由に動かせるように設計された、とても柔軟な構造です。その分、多くの筋肉や腱、靭帯が連携しながら支えているため、日常のちょっとした動きの積み重ねで少しずつ負担がかかっていきます。
五十肩とは?
五十肩(正式には「肩関節周囲炎」)は、40代後半から50代以降の方に多く見られる肩のトラブルです。大きなケガではなく、日常の些細な動作の繰り返しが原因で、肩の筋肉や腱に炎症が起こり、動かしづらくなったり、痛みを感じたりします。
● こんな動作、心当たりありませんか?
以下のような習慣が、五十肩の原因になることがあります
草むしりやガーデニングで腕をよく使う
いつも同じ手で買い物袋を持つ
犬のリードに引っ張られることが多い
仕事で重いものを持ち上げることがある
赤ちゃんを同じ腕で抱っこし続けている
寝るとき、腕を上げて寝るクセがある
肩のストレッチをやりすぎてしまう
肩を何度も使う作業が多い
これらの動作が積み重なることで、肩の関節周囲の組織が少しずつ傷つき、炎症を起こしてしまうのです。
【石灰沈着性腱板炎】~激しい痛みのあるタイプ~
「夜も眠れないほど肩が痛む」「腕がまったく上がらない」など、強い痛みがある場合、それは「石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせい けんばんえん)」かもしれません。
肩の奥深くにある腱板という筋肉に、リン酸カルシウムの結晶(石灰)が沈着することで、炎症と激しい痛みが起こります。
この石灰は、繊維組織の微細な損傷が繰り返されることで徐々に発生し、炎症・熱・痛みを引き起こします。
これは「腕がこれ以上引っ張られてもげてしまう」のを防ぐため、身体が防御反応として関節を固めて動かないようにしているとも言えるのです。
【実は…股関節も関係しています】
あまり知られていませんが、肩と股関節は“連動”して動く関係にあります。
例えば歩くとき、右足と左手、左足と右手が自然に交差するように動きますよね。もし右股関節に不調があると、左肩に影響が出ることがあるのです。これは人類が直立二足歩行に進化する以前、四足歩行だった時代の「運動様式の名残」であると考えられています。この股関節の歪みや機能低下が、肩に負担をかけて五十肩を引き起こすケースも多く見られます。
では、なぜ股関節の異常が肩に影響するのか?
たとえば、右の股関節にゆがみや可動域の制限があると、交差する左の肩関節に過剰な補正動作が生じることがあります。
この状態が長期化すれば、肩関節の滑らかな運動軌道が乱れ、筋緊張のアンバランス、炎症、可動域制限へとつながるのです。
つまり、肩の痛みや可動域制限の原因が、実は遠く離れた股関節や骨盤帯にある場合もあるということです。これは局所の治療では改善しない「代償運動パターン」の典型です。
50肩といっても症状と原因は様々なので当院では大きく3つに分類しました。
【五十肩の3つのタイプと治療方針】
当院では、患者様の症状を以下の3つのパターンに分けて治療を行っています:
パターン | 特徴 | 治療期間の目安 |
---|---|---|
① 単純性肩関節周囲炎 | 肩だけに炎症が起きているタイプ | 比較的短期間で回復(数週間~) |
② 股関節由来型 | 骨盤や股関節の歪みが影響している | 中期(1~3ヶ月程度) |
③ 代償作用型 | 繰り返し五十肩を発症、石灰沈着あり | 中長期(3ヶ月以上) |
当院では、構造医学の理論に基づき、肩だけでなく股関節や骨盤までチェックし、患者様がどの分類に属するのか原因を総合的に判断しています。
(損壊パターン 著:構造医学研究所)
【治療方法】
症状に合わせ、以下のような治療をご提案しています
肩関節や頚椎の歪みを調整
アイシング(炎症を抑える)
筋肉のローラー処置(レオロジー効果)
運動療法(リハビリ)や水圧器具を用いた施術
全身バランス整体(股関節・骨盤調整、その他関係する部位の調整)
▶ 保険診療の範囲で施術も可能です。
▶ より早い回復を目指す方には、全身バランス整体やオプションメニューもございます。
【注意点とデメリット】
長期間放置した五十肩は、石灰が沈着し、治癒に時間がかかる場合があります。
強い炎症がある時期に無理なストレッチや動かしすぎは悪化の原因になります。
石灰沈着で可動域が狭くなり施術中に刺激が強くなることがありますが、事前に説明し、ご同意を得たうえで対応します。
症状が重い場合は、医療機関の受診をお勧めすることもあります。
【五十肩に効果的な運動】
リハビリの一環として、次のような運動が効果的です。
①壁腕立て伏せ(軽めの腕立て)
→ 壁に手をつけて押すことで、肩の筋力をやさしく鍛えます。
②ハイハイ運動(四つん這い歩行)
→ 肩に自然な負荷がかかり、関節の可動域が広がります。
③腕を大きく振って歩く
→ 歩きながら腕を大きく動かすことで、無理なく肩をほぐします。
▶ 無理せず、できる範囲で毎日続けることが大切です。
【治療期間の目安】
症状の程度により異なりますが、
◆軽度の場合:3~4週間で改善
◆重度でも:半年~1年ほどで可動域の改善が期待できます
【料金】
【保険診療】
初診 | 次回 | |
1割負担の方 | 1,800円 | 900円 |
2割負担の方 | 1,900円 | 1,000円 |
3割負担の方 | 2,000円 | 1,100円 |
※当院では保険自己負担金に加えて技術料、調整費、材料費をいただいております。 上記の金額はそれを含めた金額になります。
※厚生労働省の指導により、最終来院日より1ヶ月以上経過した場合、再診料として初診時と同額をいただきます。
※症状や部位により多少料金が異なる場合がございます。
※日常生活による外傷に適応されます。
問診時に原因などお聞きします。
<基本治療>
4,200円
激しい頭痛や腰痛、顎関節症、慢性疾患などにアプローチ。
トータルでカラダのバランスを整え、歪みの急所に効かす施術です!
【最後に】
五十肩は「ある日突然起こる」ものではなく、日々の積み重ねによって静かに進行していくものです。
「いつの間にか腕が上がらない」「夜になるとズキズキ痛む」などのお悩みがある方は、ぜひお早めにご相談ください。
患者様一人ひとりに合わせた施術と生活アドバイスで、無理なく、根本改善を目指していきます。
・